本文へスキップ

活動報告 平成25年ACTIVITY REPORT 2013

講演

1 島根県弁護士会 新入会員研修 研修講師 【消費者問題】


 平成25年1月 新入会員研修 「島根県における消費者問題実情等」

【弁護士コメント】
 私の所属する島根県弁護士会には,毎年新入会員が加入します。
 新入会員は,入会後新入会員研修を受講することになりますが,その1つである消費者問題に関する研修講義の講師を消費者問題対策委員長として担当しました。
 島根県消費者センターが公表している統計資料を見ながら,島根県では高齢化率の進展を背景に高齢者に対する消費者被害が多いこと,劇場型投資詐欺などは年によって手口・件数などの傾向に差があること,デジタルコンテンツに関する被害が多いこと,などの県内の消費者問題を巡る状況について説明しました。
 また,劇場型投資詐欺やサクラサイト被害について,私の経験を交えて,事例紹介を行いました。

 新入会員の皆さんとも協力しながら,島根から消費者被害がなくなる日が来るよう,少しずつ事案の解決に取り組んでいきたいと思います。

2 出雲商工会青年部研修会 研修講師 【中小企業支援】


 平成25年1月 青年部研修会 ロールプレイ型研修「「聴く」交渉術」

【弁護士コメント】
 昨年12月に引き続き,出雲商工会青年部の研修講師をさせていただきました。
 今回の研修は,座学ではなく,実際にやってみる「ロールプレイ型の研修」として,交渉における「聴く」技術の練習を行いました。
 具体的には,素材として経済産業省の「調停人養成教材・基礎編2006年度版」を使い,交渉理論の基礎と聴くためのスキル(うなづき・繰り返し,開かれた質問と閉じられた質問,言い換え)を,実際に参加者の皆さんに練習してもらいました。
 研修の最後には,受講者の代表の方2名に,架空の設例(製品への異物混入をめぐる発注者と請負業者間の紛争)に基づいて紛争当事者の役割を演じながら交渉してもらう「ロールプレイ」を行いました。お二人とも真剣に演じていただき,非常にハイレベルなロールプレイになりました。

 今日練習した交渉技術は,交渉の様々な場面で,相手と共同して問題解決するためのものです。
 それは,裏を返せばコミュニケーションスキルそのものと言えます。
 今回練習したスキルを,紛争に限らずビジネスのいろいろな場面で活用していただき,地域経済の活性化につなげていただければ幸いです。

   

3 大田市市民後見人養成講座 【成年後見】


 (1)平成25年6月 大田市市民後見人養成講座 「成年後見制度概論」講師
 (2)平成25年7月 大田市市民後見人養成講座 「家族法の基礎」講師


【弁護士コメント】
 昨年に引き続き,大田市の市民後見人養成講座の講師として講演を行いました。
 成年後見制度をめぐる状況は,現在大きく変わりつつあります。
 大多数の後見人は適切な業務を遂行しているものの,残念ながら一部の親族後見人や専門職後見人による不正事案の発生が明らかになっています。
 このような状況を背景に,今後は,これまで以上に適切な財産管理が担保される仕組みが求められることになります。
 その意味で,親族とは違う「第三者性」を持つ市民後見人を要請していくことは,島根の高齢社会をこれから維持していくうえで極めて重要な課題となると言えます。
 市民の皆さんの高い意識に応えられるよう,これからもがんばって活動していきたいと思います。

4 島根県行政書士会 研修会 研修講師 【成年後見】


 平成25年7月 成年後見賠償責任保険加入資格取得研修会 「成年後見制度概論」

【弁護士コメント】
 成年後見制度において,第三者後見人の養成を進めていくことが現時点での課題であり,その方向の一つとして市民後見人の養成があることは既に述べたところです。
 しかしながら,紛争性が高かったり,法的手続が必要だったりなどの事情で,一般の市民の方に引き受けていただくには「荷が重い」事案があることも事実です。
 この意味で,専門職後見人の必要性は,市民後見人が養成されてもなお変わることはありません。
 従前は,専門職後見人としては,弁護士・司法書士・社会福祉士などが主として活動してきましたが,近時,行政書士においても少しずつ成年後見に取り組まれる方が増えてきています。

 このような流れの中で,今回,島根県行政書士会の研修会で,成年後見制度の概論について講師をする機会をいただきました。
 会場には,既に後見業務に取り組んでおられる方だけでなく,これから取り組もうとされている方も参加しておられ,行政書士会としての意気込みを感じました。
 また,講義終了後の質疑では,成年後見と選挙権などの最先端の問題についての議論をすることもでき,充実した内容となりました。

 地域の司法インフラの一部を共に担い,よりよい地域社会に貢献していけるよう,これからも連携していきたいと思います。

5 島根県国民健康保険団体連合会 研修会 研修講師 【消費者】


 平成25年8月 国保料収納率向上対策研修会 「多重債務問題と滞納整理」

【弁護士コメント】
 債権の回収は,私人間の私債権だけではなく,公的な債権においても問題となっています。
 無論,公租公課については,一般の債権とは異なる強い効果を持った回収スキームが用意されており,最終的にはその出番になるわけですが,そうなる前の回収・滞納拡大の予防がまずは重要です。
 今回,国保連さんの滞納対策に役立てていただくために,私債権に関する債務整理手法と過払金の返還請求について,具体的設例を使いながら説明させていただきました。
 債務の整理により,滞納拡大を防ぎ,滞納解消に向けた原資の確保を行うこと,過払い金での短期回収は現状では難しいこと,など少し踏み込んだ内容でしたが,市町村の担当者の皆さんに熱心に受講していただきました。
 柔軟で実効性ある滞納対策をしていただき,健康保険制度への信頼確保につなげていただければと思います。

6 島根商工協会 研修講師 【中小企業支援】


 平成25年9月 講演 「押さえておきたい危機管理〜倒産・保証にどう対応するか〜」

【弁護士コメント】
 中小事業者にとって,取引先の倒産は,売掛金の回収ができなくなったり,保証人としての責任を追及されたり,さまざまなリスクが顕在化する難しい事態です。
 この講演では,これらの倒産と保証に着目し,危機管理と言う切り口からお話をさせていただきました。
 倒産の場面においては,保証人・従業員・株主・債権者などの各種の利害関係人が登場しますが,それぞれに確保できる権利関係は異なります。これらの複雑な権利関係について,事例を用いて概略の説明をしました。
 倒産は,知識の有無でその後のランディングに大きな差が出る局面と言えます。中小企業の皆様におかれては,適切な知識にもとづき,十分な危機管理を行っていただきたいと思います。

7 島根県振り込め詐欺撲滅対策推進本部連絡会議 講師 【消費者】


 平成25年10月 講演 「振り込め詐欺等について弁護士の立場から対応スキームを考える」

【弁護士コメント】
 振り込め詐欺の手口は巧妙化の一途を手繰り,日々新しい手法を用いた詐欺が生み出されています。これらの「特殊詐欺」について,事例を元に,法的な対応の実効性と対策として重要なポイントについて講演しました。
 特殊詐欺については,お金を渡してしまうと現実には回収は非常に難しいため,弁護士としては非常に悩ましい事案です。したがって,ローカルなつながりを通して被害発生の予防をしていくことが一番重要です。
 島根から特殊詐欺の被害がなくなるよう,啓発に取り組んでいきたいと思います。

8 島根県消費者リーダー育成事業 講師 【消費者】


 平成25年11月 講演 「私たちの生活とセーフティネット」

【弁護士コメント】
 島根県が実施している消費者リーダー育成事業の「セーフティネット」の回で講師をさせていただきました。
 一口にセーフティネットと言っても,いろいろな制度がありますが,この講演では経済的困窮への対応として,@金銭給付の支援などが受けられる制度(生活保護などの収入面の支援),A負債の整理の制度(破産などの支出面の整理の制度)を具体例を用いて説明しました。
 受講生の皆さんは非常に熱心で,講演後に多くの質問をいただきました。消費者リーダーとして,地域における消費者教育のハブの役割を果たして行っていただきたいと思います。

9 斐川町商工会 消費税転嫁対策講演会 講師 【中小企業支援】


 平成25年 講演 「消費税率引き上げの前に知っておきたい法的問題」

【弁護士コメント】
 消費税転嫁対策に関する政府のガイドラインについて,斐川町商工会さんの会員企業向けの講演を行いました。
 基本的には,経済法(独占禁止法,不正競争防止法など)関係の制度説明なので,あまり日常生活では関係ない内容ではありましたが,受講者の皆さんは非常に熱心に講義を聞いておられたのが印象的でした。
 簡単な税務についてのレクチャーもしましたが,こちらについても熱心に聴いていただきました。
 基礎的な税務知識と,専門性の高い法務知識を一体的に活用できる法的サービスが提供できるよう,今後も研鑽を続けていきたいと思います。

寄稿

     

1 朝日新聞 「司法つれづれ」 【弁護士会】


 平成25年4月 朝日新聞 司法つれづれ 「「社会正義」を実現する」

【弁護士コメント】
 朝日新聞の連載コラム「司法つれづれ」は,島根の弁護士・裁判官・検察官が毎週交代で寄稿するリレーコラムです。
 今回,私に依頼がありましたので,「弁護士の仕事」について,普段から思っていることを書きました。

 弁護士法には,弁護士の使命として「基本的人権の擁護」と「社会正義の実現」が掲げられています。
 しかし,この「社会正義」とは何か?という点については,必ずしも決まった答えがありません。
 そのため,個々の弁護士の目指す「社会正義」は一様ではなく,それゆえに弁護士の仕事のスタイルには個性があります。
 私は,ミクロな紛争の「よい解決」の積み重ねによって,マクロなレベルでの「よい社会」を実現していくことが,「社会正義」だと考えています。
 青臭い理想論かもしれませんが,この信念だけは貫いて仕事を続けていきたいとの思いを込めて寄稿しました。

2 中国地方弁護士会連合会ニュース 「かがやき」【地域司法】


 平成25年5月 かがやき 特集記事:支部問題 「島根の地域司法と支部問題の向かうべき方向性」

【弁護士コメント】
 「かがやき」は,一般の方にはなじみがないと思いますが,中国5県の弁護士会でつくる連合会の広報誌です。
  今回,特集記事として,「支部問題」が取り上げられることになりましたので,島根県からは私が寄稿しました。

 島根県は,平成14年までは会員23名と,弁護士過疎の代名詞のような地域でした。
 しかし,現在では,島根県弁護士会の登録会員数は69人(平成25年6月)であり,11年の間に弁護士は3倍に増えました。これにより,従前指摘されていた弁護士が少ないことに起因する問題点はほぼ解消されたと言ってよい状況ではないかと思っています。

  しかし,弁護士の人数が増加したからといって,直ちによりよい法的サービスが提供できるようになるわけではありません。
 たとえば, 裁判所や検察庁といった法曹全体を含めた人的物的基盤の充実や,未だ市民にとって身近なものとは言えない司法に対する「市民の信頼」を醸成していくことが,より良い法的サービス実現のために必要ではないでしょうか。
 前者については,司法予算の問題もあり,息の長い活動をしていく必要があります。
 他方で,後者については,各々の弁護士が自分にできる活動にきちんと取り組んでいくことで,全体として市民の方の「身近な信頼感」を築き上げていくことが重要だと思います。そしてここに,弁護士会として地域司法の問題に取り組んでいく意義があります。

 このような問題意識に基づいて,自分なりの地域司法への思いを寄稿しました。
 本文については,またブログなどで公開したいと思います。

バナースペース

中井総合法律事務所

弁護士 中井 洋輔
 (島根県弁護士会所属)

〒693-0004
島根県出雲市渡橋町61
 一畑いずも渡橋ビル2階

 TEL 0853-31-4960
 FAX 0853-31-4961